【テーマ】 人間の言葉が果たす機能や意義、子どもが人やものなどの環境と主体的に出会い、言葉の世界を豊かに繰り広げていく発達過程や子どもにとっての言葉の意味を概説する。また、子どもの言葉を豊かに育む児童文化財に関する基本を説明する。

【授業概要】 人間にとって言葉が果たす機能や意義について、自分自身の経験を振り返りながら、言語や教育に関する理論や参考資料を基に考察するとともに、ディスカッションを通じて言葉に関わる現代社会の課題を考える。また、子どもの言葉の発達過程に関する基本的知識について、映像資料や観察を基に実際の乳幼児の姿から考える。さらに、子どもの言葉を豊かに育む保育実践や児童文化財の活用について、実演演習を取り入れ、体験的に学びを深める。

【到達目標】 ・人間の言葉が果たす機能や意義について説明できる。/・子どもが言葉の世界を豊かに繰り広げていく発達過程を理解し、子どもにとっての言葉の意味について興味をもつ。/・言葉で表現する楽しさや言葉の美しさなど、言葉に対する感覚を豊かにする保育実践に関しての知識を身につけ、演じることができる。/・子どもの言葉を豊かに育む児童文化財について、基礎的な知識を身に付け、保育における児童文化財の意義を主体的に考えることができる。

【実務経験の有無】

【実務経験の内容】 幼稚園教諭あるいは養護学校未就園親子クラスの保育スタッフなど、保育・教育現場での実務経験を有する。
経験を活かして乳幼児の言葉の発達過程や児童文化財に関して、実践事例に即して具体的に指導する。

【学位授与方針】 社会や時代の変化の中で、子どもを取り巻く諸課題を多角的に捉える広く深い知識を有している。

【授業計画】

1回 オリエンテーション
人間にとっての言葉とは

2回 言葉に関わる現代社会の課題
情報化社会が子どもに及ぼす影響

3回 乳幼児の言葉の発達①
―言葉が生まれる土台―

4回 乳幼児の言葉の発達②
―言葉が生まれる頃―

5回 乳幼児の言葉の発達③
―言葉を使い始める頃―

6回 乳幼児の言葉の発達④
―言葉がひろがる頃―

7回 言葉に対する感覚を豊かにする保育実践①
―言葉の楽しさ・面白さに触れる―

8回 言葉に対する感覚を豊かにする保育実践②
―言葉の美しさ・豊かさに触れる―

9回 言葉に対する感覚を豊かにする保育実践③
―言葉で伝え合うことの難しさ・もどかしさに触れる―

10回 言葉に対する感覚を豊かにする保育実践④
―生活のなかの言葉、話し言葉と書き言葉―

11回 子どもの言葉を豊かに育む児童文化財①
―児童文化財とは何か、さまざまな児童文化財、絵本の歴史―

12回 子どもの言葉を豊かに育む児童文化財②
―絵本論、赤ちゃんえほんについて―

13回 子どもの言葉を豊かに育む児童文化財③
―児童文化財(絵本)の実演演習と振り返り―

14回 子どもの言葉を豊かに育む児童文化財④
―紙芝居の歴史と演じ方―

15回 本授業のまとめ(フィードバック含む)
―子どもの言葉を育む児童文化財の意義、子どもにとっての言葉の意味―

【教科書名】 横山真貴子編著『子どもの育ちと「ことば」(新版)』教育情報出版,2023

【参考図書】 中川信子『子どものこころとことばの育ち』大月書店,2003/岡本夏木『子どもとことば』岩波新書,1982年/正高信男『子どもはことばをからだで覚える』中公新書,2001年/松居直『私のことば体験』福音館書店,2022年、NPOブックスタート編『ブックスタートの20年』,2022年、ほか適宜紹介する。

【評価方法】 授業課題への取り組み(含む、小テスト)(50%)、期末レポート課題(50%)を総合的に評価する。

【履修について】 なし

【事前・事後学習等】
事前学習: テキストの該当箇所の予習を行うこと。 (1.0h)

事後学習: ・授業課題への取り組み、テキストの復習、ノート整理、などにより、学修内容の復習を行い、知識の定着を図ること。(3.0h)

【キーワード】 対話型授業/ICT/ディスカッション/プレゼンテーション

【備考】 ・適宜課題に対する講評コメントや他の受講生の意見等の共有によりフィードバックを行う。