【テーマ】 日本語の表現の特徴について、近代の文学作品をとおして考える。文学作品の言葉がどのような表現効果をもっているのかを、作品をゆっくり読むことをとおして明らかにする。

【授業概要】 日本語の表現はどのような特徴をもっているのかを、近代の文学作品の分析をとおして考える。分析の対象として、夏目漱石の「夢十夜」(1908)およびその他の小品を採り上げる。「夢十夜」は、全10編の相対的に独立した話から構成されているが、授業1回につき1編を読み、履修者どうしの対話と授業者による解説をとおして作品の言葉がもつ表現効果を探ってゆく。

【到達目標】 (1)日本語の様々な表現のあり方について理解する。
(2)日本語の表現を分析する基本的な方法を修得する。
(3)その方法を用いて、自ら日本語表現の分析を実践し、分析結果を文章としてまとめられる。

【学位授与方針】 日本語の歴史や特質、現代語の様相と形成についての知識を有している。(日文)
「書」の指導者として必要な書法・書学の専門的能力と知識を有している。(書道)
関心・興味に応じて特化した分野・領域での専門的な知識と創作技能・表現力を身につけている。(文芸)

【授業計画】

1回 授業への導入
授業の内容と形式を説明し、その目的を確認する。

2回 「夢十夜」第一夜の表現
第一夜の表現を分析する。

3回 「夢十夜」第二夜の表現
第二夜の表現を分析する。(含前回フィードバック)

4回 「夢十夜」第三夜の表現
第三夜の表現を分析する。(含前回フィードバック)

5回 「夢十夜」第四夜の表現
第四夜の表現を分析する。(含前回フィードバック)

6回 「夢十夜」第五夜の表現
第五夜の表現を分析する。(含前回フィードバック)

7回 「夢十夜」第六夜の表現
第六夜の表現を分析する。(含前回フィードバック)

8回 「夢十夜」第七夜の表現
第七夜の表現を分析する。(含前回フィードバック)

9回 「夢十夜」第八夜の表現
第八夜の表現を分析する。(含前回フィードバック)

10回 「夢十夜」第九夜の表現
第九夜の表現を分析する。(含前回フィードバック)

11回 「夢十夜」第十夜の表現
第十夜の表現を分析する。(含前回フィードバック)

12回 「文鳥」の表現
「文鳥」の表現を分析する。(含前回フィードバック)

13回 「永日小品」の表現
「永日小品」の表現を分析する。(含前回フィードバック)

14回 「思い出す事など」の表現
「思い出す事など」の表現を分析する。(含前回フィードバック)

15回 まとめ
これまでの分析内容をまとめる。

【教科書名】 夏目漱石『文鳥・夢十夜』(新潮文庫)

【参考図書】 鳥井正晴・藤井淑禎編『漾虚集・夢十夜』(漱石作品論集成第4巻)1991年5月、桜楓社
坂本育雄編『夏目漱石『夢十夜』作品論集成』全3巻(近代文学作品論叢書6)1996年6月、大空社
『漱石研究』第8号、1997年5月

【評価方法】 最終レポート(8割)と各回授業時の発言、リアクションペーパー等(2割)によって評価する。

【履修について】 なし。

【事前・事後学習等】
事前学習: 作品本文および指示された基本的参考文献を通読する。 (2.0h)

事後学習: ノートを整理し、発展的参考文献を参照する。(2.0h)

【キーワード】 対話型授業

【備考】 履修者の興味・関心・理解度などに合わせて、内容を一部変更することがある。